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遺品整理のココだけの話

スウェーデンは、美しい森と湖の国です。 しかし、その広い森も9万もある湖も、廃車の不法投棄の場所になると大きな環境問題になります。
廃車の際の不法投棄を防ぐためには、所有者が自ら解体業者に自動車を持っていくシステムをつくらなければなりません。 それが「廃車基金制度」で、一種のデポジット制度です。
1975年、法律になっています。 所有者は廃車するばあい、政府公認の解体業者に持っていき、自動車登録の解消手続きをすると500クローナ(約7500円)のプレミアムがもらえます。
このお金を解体処理費用に当てますが、くず鉄としての引き取り価格や車種、自動車の状態によって数百クローナが戻ってくる場合や、古い車種だとプレミアムに数百クローナを足さなければならないばあいもあります。 政府は、解体処理料金(解体料金+スクラップの価格)の変動に合わせてプレミアムを常に調整して、プレミアムで解体処理料金を充足させることを目標にしています。
このプレミアムによって廃車の経費負担による不法投棄を防止することができます。 プレミアムの基金は、新車を購入する際、消費者が自動車の販売会社に支払う定額のスクラップ料金(現在=700クローナ、約1万500円)が積み立てられたもので、道路局が管理しています。 残念ながら、この基金には利子が付かず、基金が利子で増加することはありません。
また、新車を買う人より、廃車する人が増えると基金が足りなくなります。 その状況が90年代の初めに起きました。
不況になり、新車を買う人が減ったからです。 そのため92年から新車を買うときに支払うスクラップ料金を850クローナから1300クローナ(約1万9500円)に上げました。
その後の景気回復とともに新車を買う人も増え、98年1月からは700クローナに下がっています。 1998年1月、生産者責任法の導入され、自動車にも適応するようになり、自動車メーカーと輸入元は売った車が廃車になった時、無料で引き取り解体処理することが義務づけられ、生産者は自動車解体業者と契約して、廃車引き取りを委託するシステムになりました。

ちなみにこの解体業者は公認された業者でなくてはなりません。 この「生産者責任法」は、生産者がスクラップ料金を支払うだけでなく、引き取った廃車の解体料金も負担するようになりました。
また、生産者は廃車の部品を再利用しなければならないとされ、その達成率を2002年までに重量の85%、2015年までに95%と設定されています。 1998年以後に登録された車のばあい、廃車したい車を政府公認の解体業者に持っていくとプレミアムがもらえますが、廃車の価値によって解体業者と所有者の間で返金額が決められます。
廃車の価値が低下したばあいは無料で引き渡されることになります。 プレミアム制が残っているのは、個人輸入した車には、「生産者責任法」が適応されないため、プレミアムが必要なためです。
自動車のバッテリーのデポジッ卜制自動車のバッテリーもデポジット制を取り入れています。 バッテリーを買う時に40クローナ(約600円)を支払います。
このバッテリーは、廃品にするときガソリンスタンドや修理工場に持ち込めば、無料で引き取ってくれます。 日本に合った形のデポジット制度の実現をスウェーデンで、デポジット制が導入されたきっかけは、日本とおなじように、スチール缶のポイ捨て問題からでした。
空き缶の散乱が、街を汚したのです。 そこで、スチール缶はアルミ缶に切り替えられ、環境を美化することと、リサイクルが利くアルミ缶で資源を効率よく使うことが検討されました。

企業としても国としても、グローバルなレベルから考えても経済的に得であるという観点からデポジット制が導入されたのです。 スウェーデンのデポジット制が成功している理由は、1つには、返還金が高いので、返却する動機付けが高いこと、2つには、縦割り行政を乗り越え、行政問とアルミ容器製造業界、酒造業界、流通業界の聞に協力体制を作りだすことに成功したからでしょう。
私は、今年の冬(1999年)、日本のスキー場でデポジット制のメダル式のリフト券をはじめて体験しました。 戻ってくる金額が1000円と高いので、メダルは100%返却されているでしょう。
これで、紙製のリフト券が雪の上に散乱するというごみ問題は、この方式で簡単に解決されたと思います。 リフト券に1000円が、預かり金として上乗せされているからといって、スキーに行ってリフト券を買わないという人はいないでしょう。
おなじように、日本中の酒造会社が一斉にデポジット制を導入すれば、値段の競争にならないでしょう。 車も何百万円の価格に7500円ほどのスクラップ料金はデポジットで返金されるのだから、一斉にされれば文句はないのではないでしょうか。
このようにデポジット制が非常に有効な資源の回収システムだということは、各国の試みで実証されています。 日本で議論されるべきことはデポジット制が是か非かということではなく、そのシステムを導入するために、行政、製品メーカーの業界、包装・容器の業界、流通業界がどのように協力システムを作り上げるかという論議ではないでしょうか。
スウェーデンが人口880万人の小国だからできるという問題ではないでしょう。 どこの国でも、さまざまに利害が入り組んだ各種の業界と行政とが協力して新しいシステムを作ることは簡単なことではありません。
しかし、それが実現したときの代償は何にも替えがたいものです。 だれもごみの山に固まれた貧しい生活はしたくありません。
省資源で経済的な方法で環境を改善していき、豊かな生活をしたいと望んでいるはずです。 そのビジョンに向かつて、日本が発展途上国のモデルになれるように是非、日本に合った形でデポジット制度が近い将来、実現されることを願っています。
ニューヨークの街を歩いて驚くのは、空き缶のポイ捨てがないことです。 日本以上に使い捨て文化の進んだアメリカで、これは素晴らしいことです。

その秘密は、デポジットにありました。 ニューヨーク州は散乱ごみ対策として、1983年からビールや清涼飲料水の缶や瓶にデポジットをかけることを州の法律で決めました。
ニューヨーク州では、缶、ガラス瓶やペットボトルを盾に持っていけば1本につき5セント(約5円)もらえます。 お金をあえて道に捨てる人は、そうはしません。
デポジットの効果は、散乱防止という形ではっきり出ています。 アメリカの飲料容器は、すでに30年ほども前から、リターナブルより缶など使い捨ての方が多くなっていました。
使い捨て容器の増加は、ポイ捨ての増加に直結します。 そこで、日に余る散乱ごみを解決するために、アメリカ各地でデポジットの法制化が進んだのです。
当時デポジット制の導入で苦労したのはスーパーなどの小売屈でした。 戻ってきた容器をメーカー別に分けるなど、大変な作業になってしまったのです。

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